財産分与を弁護士に依頼するメリット
目次
財産分与は離婚条件の中で、最も争われる問題であり、交渉がシビアになりやすい問題です。
特に、不動産や、株式、退職金など、資産が大きく、複数になるほど、その傾向は顕著になります。
また、相手が離婚に前向きではなく、財産開示に応じてもらえない場合や、特有財産(婚姻前から片方が有していた財産や婚姻中であっても夫婦の協力とは無関係に取得した財産のこと)の主張・立証が必要になる場合など、単純な手続きだけでは解決できないケースも往々にしてあります。
まず、弁護士に依頼すると、把握すべき財産の項目がわかります。
把握すべき財産に漏れがあると、予期しない損害を被る可能性があります。
相手が情報開示に応じない場合は、弁護士照会を利用することによって、相手の財産を正確に把握することが可能です(給与金額や預貯金残額、保有株式など)。
少なくとも、法律事務所の無料相談を利用し、ご自身が揃えるべき財産資料と注意事項について理解しておくことをお勧めいたします。
次に、弁護士に依頼すると、2分の1より多くの財産を獲得できる可能性があります。
財産分与は、財産を2分の1ずつ分けることが原則です。しかし、依頼者のケースによっては、交渉により2分の1より多くの財産を獲得できる場合があります。
どのようなケースで強気に交渉すべきかは、経験豊富な離婚専門弁護士でないとわかりません。そのため、財産分与における交渉のポイントがわからないままご自身で交渉を進めてしまうと、獲得できたかもしれない財産を相手に取られてしまう可能性があります。
また、離婚の手続きが調停に移行した場合、相手方だけではなく、調停委員とのやり取りもポイントになってきます。こちらの主張が法的根拠に基づいていない場合や、まとまりのない主張になっていると、調停委員にこちらの要望を聞き入れてもらえないことが多々あります。
調停委員には法的知識がなく、間違った見解を押し付けてくることがあります。
気の強い相手方を説得することを諦め、こちらにばかり譲歩を求める人もいます。そのような調停委員に対し、誤りを指摘し、「こちらではなく相手方を説得せよ。」と主張できるのは離婚に精通した弁護士のみです。
そのため、調停で財産分与を争う場合は、交渉のプロであり、調停委員とのやり取りに慣れている離婚に注力する弁護士へご依頼されることをお勧めいたします。
特に、相手方に弁護士が付いている場合は、こちらに不利な結果で終わる可能性が非常に高くなりますので、ご自身も弁護士に依頼することを強くお勧めいたします。
不利な調停を成立させてしまった後で弁護士に相談されても手遅れです。
前述のように、自分が望む財産分与を実現するためには、多くの資料を揃え、相手との交渉力に長け、場合によっては調停委員とのやり取りも上手くこなさなければなりません。
そのために、情報収集や資料収集に多くの時間を費やす必要があります。また、相手との交渉は精神的にも大きなストレスとなります。
しかし、弁護士に依頼しておくことで、情報収集のために割く時間の節約になり、交渉も弁護士が行うため、交渉によりかかるストレスはゼロとなります。
その分、離婚後の生活準備に時間をさけるようになり、離婚後の生活設計ができていると、精神安定にもつながります。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
【アクセスマップ】