円満調停って何?どういう時に使うの?
家庭裁判所で行う夫婦関係調整調停には、離婚調停と円満調停の2種類があります。
離婚調停は、夫婦の一方又は双方が離婚を希望している場合に、
夫婦の双方に離婚意思があるか、仮に離婚する場合はどのような離婚条件にするか等の
離婚に関する話し合いを行う調停です。
これに対し、円満調停は、夫婦の一方又は双方が夫婦関係の修復を希望している場合に、
夫婦関係の修復のための協議を行う調停です。
婚姻中の夫婦であっても、別居や家庭内別居で夫婦関係が冷え切ってしまっているというような事案では、
当事者だけでは夫婦関係修復のための話合いの場を設けることすら困難な場合があります。
そのような場合に、話合いの場として円満調停が利用されます。
円満調停の場では、調停委員が当事者双方から話を聞き、
夫婦間で揉めている原因やその原因を取り除く努力を行う意思が当事者にあるかどうかを探り、協議を進めていきます。
ただ、夫婦の一方が強く離婚を望んでいるような事案では、
夫婦関係の修復が難しいことを円満調停の申立人が調停手続きの中で悟ることも多いため、
円満調停の途中から円満調停を離婚調停に切り換え、離婚の方向での話し合いになることも少なくありません。
円満調停での話合いの結果、「円満にもう一度やり直す」という合意ができた場合は、
当事者間で合意できた円満にやり直すための条件を調停調書に記載し、円満調停が成立します。
これとは反対に、円満調停の途中で離婚の方向での話し合いとなり、離婚調停に切り換えられた後、
離婚の合意ができた場合には、当事者間で合意できた離婚条件を調停調書に記載し、離婚調停が成立します。
それ以外にも「当面の間別居する」という合意ができた場合には、当事者間で合意できた婚姻費用等の別居中の条件を調停調書に記載し、別居調停が成立することもあります。
以上3つのいずれの合意もできる見込みがないような場合には調停が不成立となり、調停が終了します。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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