協議離婚の弁護士費用の相場
以前は弁護士報酬会規というのが、弁護士が所属する各弁護士会にあり、それに基づいて弁護士費用が算出されていました。
現在は、その報酬会規は撤廃され、弁護士それぞれが自由に価格を設定してもよいことになっています。
しかし自由価格にはなっているのですが、弁護士のホームページを見ると、 多くの弁護士が、以前の報酬会規を目安に弁護士費用を設定しています。
ここではその報酬会規で記載されていた弁護士費用をひとつの目安に、おおよその相場を表示します。 離婚調停や離婚交渉は、離婚訴訟よりも10万円ほど安くなっています。
つまり、離婚訴訟まで発展しないで離婚できた場合は、着手金+報酬金両方で、 60万円~100万円の範囲の弁護士費用ということになります。
ただし、これは着手金、報酬金だけの話ですので、これ以外に弁護士の日当がプラスされます。
弁護士日当の相場は1時間1万円ですので、この離婚調停などで40時間の時間がかかったとすると、 40時間×1万円=40万円がプラスされます。
さらに慰謝料などの経済的利益が加わると、 その経済的利益の額で着手金、報酬金を計算しプラスされます。 たとえば慰謝料300万円を請求し、離婚調停で慰謝料300万円で離婚が成立した場合の弁護士費用計算になります。 着手金は、54万円以上74万円以下、報酬金は、78万円以上98万円以下となり、
合計132万円~182万円ということになります。
ただし、これは着手金、報酬金だけの話ですので、これ以外に弁護士の日当がプラスされます。
弁護士日当の相場は1時間1万円ですので、この離婚調停で40時間の時間がかかったとすると、 40時間×1万円=40万円がプラスされます。
トータル172万円~222万円の弁護士費用となります。
最も現在は自由価格ですので、こういった案件でも安く処理してくれる弁護士もいます。 ※経済的利益の額に注意してください。
例えば現実的には300万円程度の慰謝料が妥当だとした場合に、1000万円の慰謝料をふっかけると、 経済的利益の額が高くなります。
経済的利益の額が高くなればそれに合わせて着手金も高くなります。
ですから現実的に決着しないような高額な慰謝料をふっかけると、弁護士費用が高くなるので十分検討する必要があります。 弁護士の費用は、個々の弁護士がその基準を定めることになっており、標準小売価格というようなものはありません。
しかし、オープン価格といってもある程度目安がないとその価格がどの程度かかるのかまったく予測がつかないことになりかねません。
そこで弁護士の報酬は以下の「弁護士の報酬に関する規程」に基づき定められています。
顧問料や契約書の作成、債権の回収、労働事件など、中小企業事業者の方にとって身近と思われる種類の事件について、いくらかかるかということのおよその目安がわかります。ただ紹介した事例はごく一般的なものを想定していますので、事件の複雑さ、難易度によって金額は異なります。あくまでも目安としてご利用ください。
弁護士費用の種類
一般的に、弁護士に支払う費用の種類としては、次のとおり、「着手金」「報酬金」「手数料」「法律相談料」「顧問料」「日当」「実費」などがあります。事件の内容(当事者間の争いの有無や難易度の違い)によって、金額が異なります。弁護士に依頼するときには、総額でどの程度の費用が必要になるのか、よく確認するようにしてください。なお、裁判所へ納める費用や交通費などの実費は別途必要になります。
着手金
着手金は弁護士に事件を依頼した段階で支払うもので、事件の結果に関係なく、つまり不成功に終わっても返還されません。着手金はつぎに説明する報酬金の内金でもいわゆる手付でもありませんので注意してください。
報酬金
報酬金というのは事件が成功に終わった場合、事件終了の段階で支払うものです。成功というのは一部成功の場合も含まれ、その度合いに応じて支払いますが、まったく不成功(裁判でいえば全面敗訴)の場合は支払う必要はありません。
実費、日当
実費は文字どおり事件処理のため実際に出費されるもので、裁判を起こす場合でいえば、裁判所に納める印紙代と予納郵券(切手)代、記録謄写費用、事件によっては保証金、鑑定料などがかかります。出張を要する事件については交通費、宿泊費、日当がかかります。
手数料
手数料は、当事者間に実質的に争いのないケースでの事務的な手続を依頼する場合に支払います。手数料を支払う場合としては書類(契約書、遺言など)作成、遺言執行、会社設立、登記、登録などがあります。
法律相談料
依頼者に対して行う法律相談の費用です。
顧問料
企業や個人と顧問契約を締結し、その契約に基づき継続的に行う一定の法律事務に対して支払われるものです。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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