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婚姻費用として夫にインターナショナルスクールの学費を全額負担させ、また、夫の不貞行為を暴くことにより、インターナショナルスクールに通う子のアメリカの大学学費8年分を養育費として夫に支払わせることで和解離婚を成立させた事例

解決事例

婚姻費用として夫にインターナショナルスクールの学費を全額負担させ、また、夫の不貞行為を暴くことにより、インターナショナルスクールに通う子のアメリカの大学学費8年分を養育費として夫に支払わせることで和解離婚を成立させた事例

 

依頼者 妻 吹田市在住

夫 46歳 会社経営者

妻 50歳 主婦

離婚原因 夫の不貞行為(後に判明)

離婚理由 夫が不貞行為を隠して離婚を要求してきた。後にそれが発覚したが、夫が離婚を望むならやむを得ないと考えた

きっかけ 夫が離婚を求めて調停を申し立ててきた

子 1人

財産 預貯金・株式・貸金債権

 

Dさんは、よくわからない理由で夫から離婚を求められ、困っておりましたが、夫が離婚調停を申し立ててきたことから、当方に相談に来られました。夫は会社経営者でしたので、会社の株式等を所有しており、夫の所有財産を調査・確定することは困難であること、アメリカへの進学を希望する子の希望を叶えたいことから、当方に依頼されました。

当初から弁護士は「夫に女性がいるのではないか。」と考え、興信所による調査をお勧めしましたが、Dさんは「そのようなことはないと思う。」と調査されませんでした。調停の当初、夫は「子どもの進学については十分な配慮をする。」などと言っていましたが、しばらくすると、「経済的にアメリカの大学への進学は難しい。インターナショナルスクールの学費(年約260万円)も支払えない。婚姻費用もインターナショナルスクールの学費込みで40万円(実質的には月約20万円)しか支払えない。塾代も支払えない。」などと主張し始めました。そのため、調停での離婚・婚姻費用調停は成立せず、婚姻費用は審判に移行しました。私立高校学費は、夫と妻が折半で負担すべきとする審判例が多いです。しかし当方は、インターナショナルスクール代は夫が支払ってきたこと、インターナショナルスクールへの進学は夫の希望であったことなどを主張・立証しました。その結果、審判で「夫はインターナショナルスクールの学費を支払ったうえで、さらに月40万円を支払え。」という審判が出ました。夫は即時抗告してきましたが、その審判が維持されました。

夫は離婚訴訟を提起してきて「子のアメリカの大学学費等は支払わない。株式は生前贈与によって取得したものだ。」と主張してきました。夫がアメリカの大学進学に同意しないと、アメリカの大学学費を夫に支払わせることは困難です。離婚を拒み続ければ離婚を阻止することは可能かもしれませんが、いずれにせよ子のアメリカの大学進学は不可能となる可能性が高くなりました。

この状況を逆転するには新たな証拠が必要です。弁護士はDさんに、「夫に女性がいる可能性が高い。調査しましょう。この状況を逆転するにはそれしかありません。」とおすすめしました。Dさんは納得され、夫の調査を始めました。その結果、夫は女性と同居しており、その女性が妊娠していることが判明しました。夫が子の進学費用を拒み始めたのは、別の女性の妊娠が判明したからだったのです。そこで当方は、夫と不貞相手に対し予備的反訴を提起し、「夫は有責配偶者であるから離婚できない。子どものアメリカの大学進学費用8年間約3200万円を支払ってくれるなら離婚もするし、財産分与も譲歩する。」と主張しました。財産分与はもう少し取得できる可能性もありましたが、Dさんは子どもの夢を実現することを第一の目的にされたのです。不貞相手と結婚したい夫は当方の条件を飲むことに同意し、「夫は子どものアメリカ大学学費等約3200万円を支払う。財産分与・慰謝料1100万円。」という条件で和解離婚しました。子がアメリカの大学への進学のため渡米する当月に和解が成立するというギリギリの勝訴的和解でした。

 

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弁護士 寺尾浩寺尾 浩(てらお ひろし)

 

平成4年3月 一橋大学法学部卒業

平成9年   司法試験合格(52期)

 

 

 

 

 

 

 

離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。

また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。

 

問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。

 

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