離婚したくなかったが、子どもと月2回の面会交流を認めさせ、不動産の住宅ローンを全て負担することを条件に不動産を取得して、養育費0円で協議離婚した事例
依頼者 夫 豊中市在住
夫 29歳 会社員
妻 29歳 会社員
離婚原因 性格の不一致
きっかけ 相手方が弁護士に依頼し、弁護士から連絡が来た
子ども 1人
財産 不動産、学資保険、預貯金、車、バイク
Eさんは、妻との性格の不一致から、妻と婚姻生活を続けることは難しいと考えていました。しかし、Eさんは子どもに深い愛情を持っており、子どもと会えなくなることが辛くて離婚に踏み切れませんでした。すると相手方は別居を開始し、弁護士に依頼して離婚協議を申し入れてきました。Eさんは、弁護士に一人で立ち向かうのは不可能だと判断し、当方に依頼されました。
Eさんは、「子どもに十分に会えるのであれば離婚しても構わない。」と考えておられましたので、面会交流の機会を多くするよう弁護士は相手方に求めました。通常、面会交流は月1回のことが多いですが、相手方を説得し、月2回の面会交流を認めさせました。Eさんには仕事もあり、「毎週会うことは不可能。」と判断し、これで離婚することにしました。
不動産については、時価約3000万円の不動産について約3800万円の住宅ローンが残っており、800万円のオーバーローン状態(赤字)でした。本来であれば、この債務をEさんと相手方とで半分ずつ負担するのが通常です。しかし、相手方は全住宅ローンの負担をEさんに求め、さらに養育費の支払いを求めてきました。Eさんは子どものためになるなら最大限の努力をするつもりでしたが、住宅ローンを支払いながら養育費を支払うことは困難でした。他方、「将来、子どもが同居してくれるかもしれないので、不動産は自分のものにしておきたい。」という希望を持っておられました。そこで弁護士は、「不動産の住宅ローンを全てEさんが負担し、学資保険・車・相手方と子ども名義の預貯金を相手方に財産分与するかわりに、養育費を0にしてもらえないか。」と相手方と交渉しました。相手方は、「住宅ローンを全て負担してくれるのなら養育費免除でもよい。」とのことでしたので、それをベースに合意書を作成しました。バイクについては、Eさんが使用するものでしたので、Eさんが取得することとし、相手方の住宅ローンについてEさんが債務引受し、不動産の名義をEさん名義にして協議離婚しました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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