妻の不貞相手に慰謝料150万円を支払うことを認めさせ、150万円を分割払いする内容の公正証書を作成した事例
依頼者 27歳 会社員 豊中市在住
きっかけ 妻の不貞行為が発覚した
Aさんは、Aさんの妻であるBとCが不貞行為を行っていることを知りました。Aさんの妻の不貞相手であるCは学生(成人)でした。また、BとCは、Aさんの自宅でも不貞行為を行っていました。
Aさんは直接Cと話し合いをしましたが、Cに反省している様子はありませんでした。AさんはCのこのような態度に憤り、Cに慰謝料請求するため当方に依頼されました。
AさんはBとCの不貞行為により、Bさんと離婚することも検討していました。
また、BとCは、Aさんの自宅でも不貞行為を行っていましたので、Aさんは、不貞行為に使われた家具等を今後も使い続けることに強い不快感を持っていました。そのため、Aさんは、今後家具の買い替える費用も負担しなければならない状況でした。
不貞行為が原因で離婚した場合の慰謝料の相場としては、200万円~300万円程度です。弁護士は、自宅で不貞行為を行われたAさんのお気持ちを慰謝料の額に反映させ、慰謝料として300万円、弁護士費用として30万円(合計330万円)をCに請求しました。
これに対しCは、「慰謝料として50万円~100万円を支払う。」という案を提示してきました。
50万円~100万円では金額が低すぎるため、弁護士はこれを拒否しました。
その後Cは弁護士に依頼し、「慰謝料総額100万円、Cが就職する来年4月から毎月2万円ずつ分割して支払う。」という内容の示談案を提示してきました。
この頃には、AさんはBと離婚しない方向で考えるようになっていました。
離婚しなかった場合の慰謝料の相場としては、100万円~150万円程度です。
また、Cはまだ学生であり、一括で慰謝料全額を支払う財産を持っていない可能性が高いと考えられました。
さらに、Cの両親は個人再生の手続き中であり、Cが両親からお金を借りて慰謝料を支払うことも期待できない状況でした。
そこで弁護士はこれらのことをAさんに説明し、Aさんの了解を得たうえで「慰謝料総額150万円、頭金として30万円、残額を毎月3万5000円ずつ分割して支払う。」という内容の示談案を提示し、Cと交渉を続けました。
これに対しCは、「現在アルバイト収入しかなく、頭金は用意できない。」と主張し、「慰謝料150万円を毎月3万円ずつ支払う。」という内容の公正証書を作成することを提案してきました。
公正証書を作成しておけば、Cの分割金の支払が滞った時に、Cの給料等に対して強制執行することができます(Cの勤務先等が判明している場合)。
さらに弁護士は、Cが自発的に分割金を支払うことを促すため、公正証書の内容を工夫することにしました。
具体的には、公正証書の内容を「慰謝料の総額を200万円とし、Cが150万円を支払期限に遅れることなく完済すれば、Aさんは残りの50万円の支払を免除する。」というものにすることを提示し、これをCに認めさせました。
Aさんもこの内容に納得されたので、最終的にこの内容で合意しました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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