夫の不貞相手から慰謝料70万円を取得し、夫に対する求償権も放棄させた事例
依頼者 44歳 会社員 吹田市在住
きっかけ 夫が単身赴任中に不貞行為を行っていたことを知った
Aさんは、Aさんの夫であるBとCのラインのやりとりから、Bが単身赴任中にCと不貞行為を行っていたことを知りました。
Aさんは、Bと離婚するつもりはありませんでしたが、BとCの不貞行為によってAさんの心が大きく傷ついたことをCに分からせたいと考え、Cに対する慰謝料請求を当方に依頼されました。
離婚しない場合、慰謝料の相場は、100万円~150万円程度です。
弁護士は、「心が大きく傷ついた」というAさんの気持ちも金額に反映させ、Cに対し慰謝料200万円を請求しました。
これに対し、Cは弁護士に依頼し「慰謝料として50万円を支払う」という示談案を提示してきました。
BとCの不貞行為はAさんに対する共同不法行為ですので、本来BとCは2人で協力して慰謝料全額をAさんに支払わなければなりません。
CがAさんに慰謝料全額を支払った場合、本来Bが負担しなければならない慰謝料もCが支払ったことになります。
そのため、今後CがAさんに慰謝料を支払った場合、Aさんに支払った慰謝料の一部を負担するようCがBに請求してくる可能性がありました(求償権の行使)。
また、AさんはBと離婚するつもりはなく、AさんとBの家計は今後も同一になる予定でしたので、Aさんは可能であればCに求償権を放棄させたいと考えていました。
そこで弁護士は、Cに対し、慰謝料の増額を求めるとともに、Aさんに慰謝料を支払った後のBに対する求償権を放棄するよう求めて交渉しました。
その結果、Cは「①“Bに対する求償権を放棄することを前提に慰謝料70万円を一括で支払う”という案か、②“Bに対する求償権を放棄せずに慰謝料85万円を分割払いで支払う”という案のどちらかでしか示談できない。どちらも無理なら訴訟を提起してもらって構わない。」と主張してきました。
①②の案の両方とも相場より慰謝料の金額が低かったので、裁判で争えば、更に慰謝料を増額できる可能性がありました。
弁護士はそのことをAさんに説明しましたが、Aさんは早期解決を希望され、①の案で示談したいという意向でした。
そこで、最終的に「Bに対する求償権を放棄することを前提にCがAさんに対し慰謝料70万円を一括で支払う」という内容で合意しました。
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寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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