相談事例4(吹田市在住の方からのご相談)妻が「今すぐ離婚してくれるのであれば、子どもの養育費を請求しない。」と言っているが、このような条件で離婚に応じることに問題はあるか?
養育費は子どもの生活費です。
子どもは親に対して扶養を請求する権利を有しており、この子どもの扶養請求権を父母の一方が勝手に放棄する事はできません。
そのため、「父親に養育費を請求しない」という約束について、子どもの扶養請求権を放棄したものと考えれば、その扶養請求権の放棄は無効と考えられます。
また、「父親に養育費を請求しない」という約束について、父母間で「養育費の分担について父親が負担する金額をゼロにする」と合意したものと考えたとしても、扶養権利者である子どもが要扶養状態にあれば、子どもは父親に扶養料(養育費)を請求することができると考えられます。
本件の場合も、離婚時に妻が「子どもの養育費を請求しない」と約束したとしても、将来子どもの養育費を請求される可能性は残ります。
そのため、そのような可能性を踏まえて離婚に応じるかどうかを慎重に検討した方がいいでしょう。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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