相談事例8(箕面市在住の方からのご相談)夫と離婚することになった。結婚後に全額住宅ローンを組んで購入した夫名義の自宅不動産(住宅ローン完済済み)があり、私(妻)と子どもは離婚後も当該不動産に住み続けたいと考えている。どのような財産分与の方法が考えられるか?
結婚後に全額住宅ローンを組んで購入した(結婚後の夫婦の収入のみで住宅ローンを返済した)不動産がある場合、夫婦どちらか一方の単独名義になっていても実質的には共有財産ですので、当該不動産の潜在的な持分は原則として夫婦2分の1ずつです。
当該不動産について、既に住宅ローンを完済しているのであれば、次のような財産分与の方法が考えられます。
①不動産を売却し、その売却金を夫婦が2分の1ずつ取得する方法、
②不動産所有権を夫が取得し、不動産時価の半額を代償金として夫から妻に支払う方法、
③不動産所有権を妻が取得し(名義を妻に移転し)、不動産時価の半額を代償金として妻から夫に支払う方法、
④不動産所有権を夫が取得するが、離婚後も妻が居住できる利用権(賃借権等)を設定して、妻が同不動産に居住し続ける方法
等が考えられます。
本件の場合、あなた(妻)と子どもが離婚後も自宅不動産に住み続けたいということですので、③又は④の方法を検討する必要があります。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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