相談事例30(吹田市在住の方からのご相談)現在夫と離婚協議中であり、今後私(妻)が子ども(13歳)の親権者となって離婚する予定である。現在夫が筆頭者となっている戸籍に私(妻)と子どもも入っているが、離婚後は、私(妻)も子どもも私(妻)の結婚前の戸籍に入る予定である。この場合、離婚後に私(妻)や子どもの戸籍を移すにはどのような手続きが必要になるか?
結婚によって氏を改めた夫又は妻は、原則として離婚によって結婚前の氏に復します(結婚前の戸籍に戻ります)。
そのため、夫婦の一方が離婚後に結婚前の戸籍に戻る場合は、離婚届さえ提出すれば、
別途結婚前の戸籍に戻るための手続きをする必要はありません。
ただし、離婚によって親権者となる方が婚姻中の戸籍(他方配偶者を筆頭者とする戸籍)から離籍した場合であっても、その子どもは当然に親権者となる親の戸籍に入るわけではありません。
子どもを親権者である親と同じ氏(戸籍)に変えるには、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、家庭裁判所の許可審判の決定書をもらった上で、市町村長に子の氏の変更届を提出する必要があります。
「子の氏の変更許可」の申立ては、子どもが15歳以上の場合は子ども自身が申し立てる必要がありますが、15歳未満であれば親権者が申し立てることになります。
本件の場合、あなた(妻)は離婚後、結婚前の戸籍に戻るということですので、あなた(妻)については、離婚届の提出とは別に何らかの手続きをする必要はありません。
また、あなた(妻)が親権者となる子どもは13歳ということですので、子どもをあなた(妻)の結婚前の戸籍に入れるためには、離婚後にあなた(妻)が家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立てて許可審判決定書を取得し、市町村長に子の氏の変更届を提出する必要があります。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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