モラハラと夫婦喧嘩との違い
普段円満な夫婦であっても、時には夫婦喧嘩をするのが通常であり、その際、互いを罵りあったりすることもあると思います。
ただ、以下①②③のとおり、このような夫婦喧嘩とモラハラは異なります。
モラハラ行為としては、無視する、怒鳴る、相手の悪口を執拗に言う等様々なものがあります。
夫婦喧嘩の際に上記のような言動をされる方もおられると思いますが、モラハラ夫(妻)の場合は、被害者に全く非がない場合にも上記のような言動をすることに特徴があります。
すなわち、夫婦喧嘩の場合は、お互いに言い分があり、客観的に見れば、夫婦どちらにも一定の非があるというような場合が多いと思います。
これに対して、モラハラ夫(妻)は、客観的に見て全く被害者に非がないどころか自分に非がある場合ですら、話をすり替えたり、無関係の話を引き合いに出したりして被害者に責任転嫁し、「お前が悪い」と被害者を非難します。
例えば、モラハラ夫(妻)は、モラハラ夫(妻)の浮気が発覚したという場合であっても、「浮気をしなければならないような状況にしたお前(被害者)が悪い」といった理不尽な主張をすることがあります。
非のない相手方を責める場合、通常人は罪悪感を持ちます。
しかし、モラハラ夫(妻)は、自分が正しく、相手が間違っていると本気で思って相手を非難します。
したがって、「自分が悪いことをしている。相手を傷つけている。」という自覚がありません。
それどころか、「相手のために親切心から言ってやっているのだ。」と本心から思っています。
通常の夫婦喧嘩であれば、喧嘩の際中は感情的になって互いに罵り合ったとしても、後々冷静になり、「相手にきつく言いすぎてしまった」と反省される方も多いと思います。
これに対し、モラハラ夫(妻)は、第三者が見ればどう考えてもモラハラ夫(妻)が悪いと考えられるような場合でさえ、「自分には全く非がなく、全て相手(被害者)が悪い。自分の行為は絶対に正しい。」と本気で思い込んでいます。
前述のように、モラハラ夫(妻)は、「自分が加害者である」と自覚することはありませんし、「自分には全く非がない」と思い込んでいます。
したがって、反省することも被害者に謝罪することもありません。
夫婦喧嘩が絶えないという方の中には、自分がモラハラの被害者であることに気づいていない方もいらっしゃいますので、一度相手方配偶者が上記①②③のような特徴を有しているかどうかを考えてみるべきです。
①②③に当てはまるようならモラハラですので、一度弁護士に相談した方がよいでしょう。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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