不貞行為を行った夫から財産分与及び解決金として合計150万円を取得して調停離婚した事例
依頼者 妻
夫 29歳 専門職 池田市在住
妻 30歳 専門職 豊中市在住
離婚原因 夫の不貞行為
きっかけ 夫の不貞行為が発覚した
財産 不動産・預貯金・生命保険
子ども なし
Aさんは、婚姻後夫Bと同居していましたが、夫Bが複数の女性と不貞行為を行っていたことが発覚したため、夫Bとの離婚を決意し、別居を開始しました。
その後、Aさんは、夫Bと早期に離婚するため、当方に依頼されました。
弁護士が夫Bに対して離婚協議を求めたところ、夫Bも弁護士に依頼しましたが、夫Bは財産分与額算定のための資料の開示に消極的で、不十分な資料しか開示しませんでした。
また、不貞行為が原因で離婚する場合の慰謝料の相場は、200万円~300万円程度ですが、夫Bは「慰謝料50万円しか支払わない」と主張する等到底Aさんが納得できない離婚条件しか提示しませんでした。
このように、夫Bの理不尽な態度により、なかなか離婚協議が進展しませんでしたので、弁護士は家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。
調停期日においても、弁護士は、「財産を隠していないのであれば財産資料を開示すればいいだけであるし、夫Bが不貞行為を行っていたのは間違いないのであるから慰謝料50万円というのは金額が低すぎて到底受け入れられない。」と主張しました。
しかし、夫Bは、それでも財産資料の開示に消極的な態度を続け、理不尽な主張を繰り返しました。
そのため、裁判所は「この調停で離婚条件について合意する可能性はほとんどない」として調停不成立になる可能性を示唆してきました。
すると、突然夫Bは「財産分与と解決金の合計150万円を支払う。」という離婚条件をAさんに提示してきました。
Aさんの場合、夫Bとの婚姻期間はそれほど長くなく、Aさんにも夫Bと同程度の収入がありましたので、Aさんの手元にある資料も考慮すると、Aさん名義の共有財産と夫Bとの共有財産との間にそれほど大きな差はないと考えられました。
そのため、夫Bに十分な資料を開示させた上で財産分与額を算定したとしても、多額の財産分与をAさんが夫Bに求めることのできる可能性は低いと考えられました。
ただ、150万円という金額は、慰謝料の相場よりも低いため、離婚訴訟を提起して争えば150万円以上の慰謝料が認められる可能性も十分ありました。
もっとも、Aさんは早期離婚を最優先に考えておられましたので、「更に時間のかかる離婚訴訟まではやりたくない」という意向でした。
そのため、Aさんは慰謝料の増額よりも早期離婚を優先され、最終的に「夫BからAさんに150万円を支払う」という内容で調停を成立させました。
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寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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