約650万円のオーバーローンの共有不動産を売却し、売却後の残ローンについて、依頼者が約200万円の債務・妻が約450万円の債務を負担する内容で合意し、調停離婚した事例
依頼者 夫
夫 32歳 会社員 吹田市在住
妻 37歳 無職 大阪市在住
離婚原因 別居・性格の不一致
きっかけ 妻から離婚調停を申し立てられた
財産 不動産・預貯金・生命保険・学資保険・自動車
子ども 2人
Aさんは、妻Bとの夫婦関係が悪化したため、妻Bと別居していましたが、しばらくして妻Bから離婚調停を申し立てられました。
Aさんは離婚自体には同意していましたが、妻Bが理不尽な離婚条件を主張していたため、今後の対応を当方に依頼されました。
Aさんが当方に依頼された後、妻Bも弁護士に依頼しました。
①養育費について、妻Bは当初、月額10万円を請求するとともに、子どもの小学校や中学校等の各進学時に別途数十万円の教育費を支払うようAさんに請求していました。
また、妻Bは、調停当初は育休中でしたが、その後職場復帰していました。
そこで弁護士は、「養育費は復職後の妻Bの収入を基礎として判断すべき。養育費と別にAさんが教育費を支払う法的義務はない。」と反論した上で、妻Bの復職後の収入資料等を開示させ、妻Bと交渉しました。
その結果、最終的に養育費を月額6万5000円に減額することを妻Bに認めさせ、養育費以外の上記教育費の請求も妻Bに撤回させました。
②面会交流の実施について、当初妻Bは消極的でした。
そこで、弁護士は、早期に初回の面会交流の実施を求めるとともに、調停係属中も継続して面会交流を実施するよう妻Bに求めました。
その結果、調停中も月1回程度面会交流を実現できました。
また、離婚後の面会交流についても、できるだけ多く実現できるように妻Bと交渉し、最終的に年間14回以上の面会交流を実施することを妻Bに認めさせました。
③財産分与について、Aさんと妻Bの財産資料を検討したところ、妻Bが居住している不動産については多額の住宅ローンが残っており、約650万円のオーバーローンだと分かりました。
そのため、Aさんと妻Bの共有財産は、プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多い状態でした。
また、Aさんと妻Bは共働きでしたが、同居中はAさんの給与口座を妻Bが管理しており、生活費の多くをAさんの給与から賄っていましたので、不動産以外の共有財産については、Aさん名義の財産よりも妻B名義の財産の方がかなり多い状態でした。
そのため、弁護士は「プラスの共有財産は全て住宅ローンの返済に充てた上で、残ローンについてAさんと妻Bで半額ずつ負担すべき。」と主張して妻Bと交渉しました。
その結果、最終的に妻Bの親が当該不動産を時価相当額で買い取ったうえで、不動産のオーバーローン部分約650万円のうち、Aさんが200万円を負担し、残りの約450万円を妻Bが負担する内容で合意しました。
以上のとおり、上記①~③の養育費・面会交流・財産分与の内容で調停離婚を成立させました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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