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慰謝料を減額する代わりに、自宅売却後の残ローンを相手方に負担させることで離婚した事例

解決事例

慰謝料を減額する代わりに、自宅売却後の残ローンを相手方に負担させることで離婚した事例

 

依頼者 妻 川西市在住

 

Dさんは某有名大学出身の夫と2人暮らしでした。しかしDさんの夫は勤労意欲がなく、何度も転職するものの長続きしませんでした。愛想が尽きかけてきたころ、某有名大学出身という経歴が虚偽であることが判明し、Dさんは夫に失望して離婚を決意しました。経歴についてウソをついていたことに納得がいかないDさんは夫に慰謝料を請求したいと相談に来られました。また、Dさん夫婦は土地建物を購入しており、Dさんが連帯保証人になっていました。そのため、Dさんの連帯保証をはずせないかと相談されました。

Dさんの夫に勤労意欲がなく生活費を満足に入れないこと、経歴についてウソをついていたことが発覚して離婚に至ったのですから、ある程度の慰謝料は発生します。しかし、Dさんは住宅ローンの連帯保証人になっているので、Dさんの夫が住宅ローンの支払いを滞納すると、Dさんが連帯保証人として銀行から支払い請求されることになります。そこで離婚調停を申し立て、Dさんの夫に対し、Dさんの夫側で連帯保証人を立ててDさんの連帯保証をはずすか、土地建物を売却するように要求しました。また慰謝料として200万円と婚姻費用の分担を請求しました。

Dさんの夫は裕福な親戚に頼んだようですが、断られました。そこで土地建物の売却を要求しました。しかし、売却価格は住宅ローンより約300万円少なく、売却後に300万円の住宅ローンが残ることになりました。法的にはDさんが半額の150万円を支払う義務があります。

そこで慰謝料を100万円に減額することを条件に、この住宅ローン残金300万円については全額Dさんの夫が支払うよう要求し、Dさんの夫に承諾させました。婚姻費用としては14万円を取得しました。このようにしてDさんは住宅ローンの連帯保証人の地位を免れることができました。

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弁護士 寺尾浩寺尾 浩(てらお ひろし)

 

平成4年3月 一橋大学法学部卒業

平成9年   司法試験合格(52期)

 

 

 

 

 

 

 

離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。

また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。

 

問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。

 

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