「共有財産が約390万円しかない」と主張する夫に財産資料を開示させて交渉し、約2600万円の共有財産があることを夫に認めさせた上で、依頼者が夫から1400万円を取得する内容で調停離婚した事例
依頼者 妻
夫 53歳 会社員 箕面市在住
妻 48歳 主婦 箕面市在住
離婚原因 暴力等
きっかけ 夫の弁護士から離婚調停を申し立てられた
財産 不動産・預貯金・生命保険・株式・自動車・退職金
子ども なし
Aさんは夫Bから暴力を受けたために従前から夫Bに対して離婚を求めていました。
夫Bは、当初離婚を拒否していましたが、その後家を出て行き、弁護士に依頼して離婚調停を申し立てました。
Aさん自身も離婚を希望していましたので、離婚には応じるつもりでしたが、離婚条件について自分で夫Bの弁護士と交渉するのは難しいと判断し、当方に依頼されました。
弁護士は、財産分与の相当額を算定するために、夫Bに対し、別居時点での夫B名義の共有財産を開示するよう求めました。
これを受けて夫Bは、夫B名義の不動産や預貯金等の評価額をリストにまとめたものを開示し、「夫B名義の財産から負債を差し引くと、約390万円である。」と主張してきましたが、夫Bは根拠資料をほとんど開示しませんでした。
しかも、夫Bの上記リストでは、自宅不動産の時価が約1200万円(固定資産税評価額)と記載されていましたが、弁護士が不動産業者に査定を依頼したところ、当該不動産は時価2300万円程度の価値があることが分かりました。
そこで、弁護士は、夫Bに対し、不足している財産資料についても開示させ、夫B名義の共有財産を計算しました。
その結果、夫B名義の財産から負債を差し引いた金額は約2600万円になることが分かりました。
その後も夫Bは上記不動産の査定額に難色を示す等していましたが、弁護士が交渉を続けた結果、夫Bは共有財産が約2600万円あることを認め、「夫BがAさんに対して1300万円を支払う」と内容の調停案を提示してきました。
上記調停案は、財産分与の金額としては相当と考えられましたが、Aさんは、夫Bから同居中に暴力を受けたことがありましたので、その分の慰謝料も財産分与の金額に上乗せしたいという意向を持っていました。
Aさんが保有していた証拠だけでは慰謝料を発生させるほどの夫Bの暴力を裁判で立証できない可能性もありましたが、弁護士が夫Bと交渉を続けた結果、「夫BがAさんに対して1400万円を支払う(現金約1180万円+時価約220万円相当の自動車をAさんが取得する)」という離婚条件を夫Bに認めさせました。
そのため、最終的に上記内容で離婚調停を成立させました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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