依頼者:夫 京都市在住
夫:66歳 自営業
妻:66歳 無職
離婚原因:性格の不一致
子供:39歳・36歳
財産:妻の母の土地上に建物
Wさんは、約30年にわたって別居していました。妻の母の土地上に建物を建てて居住していたのですが、妻の姉夫婦が我物顔で建物に入り浸り、Wさんは不快な思いをしてきました。姉夫婦の家ではないのだから節度ある付き合いをするよう妻に求めましたが、妻は「建物は姉のものでもある。」などと言い、Wさんの要望に応えませんでした。
Wさんは「離婚したい。建物を妻に財産分与するかわりに、年金分割するのをやめてほしい。」と妻に伝えました。
ところが妻は「離婚するなら財産分与として建物を取得し、年金分割も行う。建物は時価0円だから、Wさんの取得分はない。」と主張して譲りませんでした。
困ったWさんは当方に依頼されました。
当方は「年金分割をするのなら不動産を財産分与することはできない。1/2ずつの共有として賃料を請求する。」と主張しました。
しかし、相手方は「年金分割は必ず行う。」と譲りませんでした。
年金分割は妻の権利ですから、強制的にやめさせることはできません。
そこで当方は、「建物の時価は0円かもしれないが、固定資産税評価額は420万円となっている。その半額の210万円を支払うなら建物を財産分与する。」との譲歩案を出しました。妻は当初しぶっていましたが、「裁判になっても210万円の支払いを命じられる可能性が高い。」と妻を説得し、「妻が210万円を支払う。年金分割を行う。」との条項で調停を成立させました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
【アクセスマップ】