「誰のおかげで飯が食えていると思っているんだ」~モラハラ夫の具体例~
「誰のおかげで飯が食えていると思っているんだ!」
「誰のおかげで生活できてると思ってるんだ」
これは、妻が専業主婦の事案などで見られるモラハラ夫の発言例です。
妻が専業主婦の場合は、ほとんどの家事育児を妻が行っており、そのおかげで夫も仕事に専念できていると考えられますので、ご飯を食べられるのが夫のおかげというわけではありません。
ただ、妻が経済的にモラハラ夫に依存していることは事実ですので、上記のようなモラハラ夫の発言は、自分の経済的な優位性を強調することで、妻をモラハラ夫に反抗しにくい心理状態にすることを狙っていると考えられます。
「出て行け!」
これは、妻との口論の際などにみられるモラハラ夫の発言例です。
妻が自宅に住めているのがモラハラ夫のおかげであることを強調する狙いがあります。
但し、妻と別居してしまうと妻を自分の支配下におけなくなってしまうため、上記のような発言をするモラハラ夫は、本心で妻に出て行ってもらいたいとは考えていません。
そのため、実際に妻が家を出て行くと、モラハラ夫は「俺に何の相談もなく出て行った!」などと妻を非難してくることもあります。
なお、結婚後に購入した自宅不動産は夫婦共有財産であり、例え夫名義であったとしても離婚するまでは妻も居住する権利がありますので、夫に「出て行け」などと妻に要求する権利はありません。
「これは決定事項だ!」
これは、モラハラ夫が決めた方針などについて、妻が疑問を呈したり、質問したときのモラハラ夫の発言例です。
モラハラ夫は基本的に自分の意見が妻の意見によって覆されることを認めませんので、妻との議論を終わらせるためにこのような発言をすることがあります。
妻の意見を聞く素振りを見せるモラハラ夫もいますが、妻の意見に逐一反論してくるため、次第に妻は自分の意見をモラハラ夫に言う気がなくなります。
離婚や離婚条件についてモラハラ夫と合意できる場合、離婚理由は問題となりませんので、協議離婚や調停離婚によって離婚を成立させることは可能です。
もっとも、モラハラ夫は離婚を拒否してくることが多く、離婚協議や離婚調停を経ても離婚の合意ができない場合、裁判所に離婚訴訟を提起して離婚判決を獲得しないと離婚は成立しません。
ただ、裁判でモラハラ夫が自らの暴言を認めることはほとんどなく、客観的な証拠も乏しいことが多いため、暴言を含むモラハラを証明するのは困難な場合が多いです。
また、モラハラ夫の暴言を理由に離婚判決が出されるのは、その暴言が「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する場合のみです。
そのため、離婚判決を獲得するためには、単に「モラハラ夫が暴言を吐いた」というだけでは足りず、暴言の状況・頻度・内容等まで証拠で立証して「婚姻を継続し難い重大な事由がある」と裁判官に認めさせる必要があります。
上記のような理由から、モラハラ夫の暴言だけを理由に離婚するのは困難なケースも少なくありません。
財産分与約2600万円、養育費・私学授業料等を支払わせて協議離婚した事例>>
モラハラ夫から財産分与1000万円を取得して、調停離婚した事例>>
モラハラ夫から財産分与約2300万円を取得して協議離婚した事例>>
可能であれば、モラハラ夫から受けたモラハラを録音や日記等でその都度記録しておくことが望ましいです。
ただ、前述のとおり、モラハラを証明するのは困難な場合が多く、苦労して集めた証拠でも裁判に耐え得るものになるとは限りません。
そこで、モラハラの証拠収集とは別に早期の別居を検討すべきです。
モラハラだけでは離婚が認められない場合でも、別居期間が長期に渡っていれば、裁判で離婚が認められる事案は多いからです。
モラハラの証拠収集に時間をかけるよりも早期に別居した方が早期離婚に繋がりやすいケースは多いので、モラハラ夫との離婚をお考えの方は、一度当事務所までご相談ください。
初めて法律事務所にご相談をされる方はぜひこちらをご覧ください>>
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
【アクセスマップ】