退職金・不動産増築費用を財産分与対象財産に含めさせて離婚した事例
依頼者 妻
夫 58歳 会社員 箕面市在住
妻 57歳 パート
離婚原因 金銭感覚のズレ
きっかけ 夫の預貯金使い込み
財産 不動産、預貯金、保険、退職金、株式
子ども 2人
Aさんは、夫Bが頻繁に車を乗り換えるなどしていたため、夫Bの金銭感覚について疑問を有していました。Aさんが夫Bの預貯金を確認すると、自宅マンション用に貯めていた口座からAさんに無断で夫Bが引き出していることが判明しました。驚いたAさんは夫Bに返金を求めましたが、夫Bは全額の返金を拒否しました。そこでAさんは夫Bとの離婚を決意し、当事務所に依頼されました。
弁護士は夫Bに退職金を含む全財産の開示を求めましたが、夫B・夫B代理人Cは、「退職金は財産分与の対象とならない。不動産増築に同意していなかったから、不動産増築費用は全額Aが負担すべき。」などと主張してきました。そこで弁護士は、裁判官の論文を夫B・夫B代理人Cに送付して、退職金が財産分与の対象となることを認めさせ、不動産増築を事前に認めていたことを立証して増築代金を財産分与対象財産と認めさせた上で、夫Bが隠していた保険・株式等を開示させました。
また、不動産を購入する際にAさんはAさん母から約400万円を借り入れていたので、それを財産分与財産に加えることを主張しました。しかし、夫Bは証拠がないことを理由に財産分与対象とすることを拒否しました。調停でも同様の主張を夫Bが繰り返したため、Aさんは訴訟を検討しました。
しかし、預貯金の無断引き出し金を何に使ったかについて証拠がなく、また、Aさん母からの借入金についても何の証拠もありませんでした。そのため、訴訟提起しても、その部分について勝訴するのは難しい状況でした。調停不成立になったあと、訴訟を提起するかどうかAさんは迷われましたが、訴訟に1年以上かけて敗訴することは避けたいと考えられ、無断引き出し及び母からの借入金については財産分与の対象としないこととして、合意離婚することにしました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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