妻の生命保険・預貯金を財産分与対象財産に含めて和解離婚した事例
依頼者 夫
夫 63歳 豊中市在住
妻 59歳 豊中市在住
離婚原因 妻の浪費・片付けができない・性格の不一致
きっかけ 何度伝えても部屋の片づけをせず、自宅がゴミ屋敷にようになってしまったこと
Aさんは、妻Bの浪費癖・人にきつく自分に甘い性格・家の片付けができないことに嫌気がさしていました。家の中の自分の物を整理整頓するように何度も伝えましたが、妻Bが全く片付けを行わず、家の中がゴミ屋敷と化したので離婚を決意されました。そして、人の話を全く聞かない妻Bとの交渉は難しいと判断され、当事務所に依頼されました。
弁護士は妻Bを事務所に呼び、「①妻B名義の生命保険500万円、②Aさんに無断で長男に貸し付けた300万円、③妻B名義の預金でAさんが生活費を送金していた口座は財産分与の対象となる、④不動産売買代金にはAさん父の援助金が入っているので一部はAさんの特有財産である。」と伝えました。妻Bは、「①については自分の特有財産である。②については長男に贈与したものである。③については子どもの奨学金返済のためにAさん・妻B・子どもたちが蓄えたものである。④不動産は全て夫婦共有財産である。」と主張して争ってきました。
②についてはAさんに無断で贈与したとしても、Aさんに無断で行った以上、夫婦共有財産になると弁護士は指摘しました。すると妻Bは弁護士を就け、②については妻B母から長男への貸付金であったなどと主張し、調停でも訴訟でもその主張を変えませんでした。そこで弁護士は、①について妻Bの特有財産であることを立証する証拠がないこと、②~④については証拠を提出して立証活動を行いました。①については、妻Bの特有財産の可能性があったので、「②~④について素直に当方の主張を認めるのであれば、①を財産分与対象財産から外してもよい。」とAさんは妻Bにとって寛大な案を提示しましたが、妻Bは拒否しました。
訴訟後裁判官に和解案の提示をお願いしたところ、裁判官から「①③全額と④の一部については財産分与対象財産とするが、②については財産分与対象財産としない。」というAさんにとって有利で妻Bにとって不利な和解案が示されました。②④についてはAさんの保有する証拠だけでは100%勝訴できるかどうか微妙でしたので、Aさんは裁判官和解案を受け入れることにしました。妻Bも、「裁判官和解案を拒否しても、裁判官が和解案以上に妻Bに不利な判決を書く可能性がある」ことを知り、判決を望まず、裁判官和解案どおりの内容での和解離婚に応じました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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