離婚を求める夫から裁判基準以上の財産分与を取得して協議離婚した事例
依頼者 妻
夫 58歳 会社経営者 豊中市
妻 58歳 無職 豊中市
離婚原因 夫の不貞行為、別居から長期間の経過
きっかけ 夫から離婚の申し出があった
財産 不動産・預貯金・保険・自動車・自転車
子ども 2人
Aさんは、夫Bの不貞行為をきっかけに、夫の会社所有のマンションに転居し、約10年が経過しました。夫は有責配偶者ですから、夫からの離婚請求は原則として認められません。しかし、別居期間が7~8年経過すると、離婚が認められる可能性が高くなってきます。
夫Bは、別居期間が10年以上経過したため、Aさんに離婚を求めてきました。夫Bの不貞行為が原因で破綻したのですから、Aさんは離婚に応じることに納得できず、相当な財産分与を求めたいと相談に来られ、依頼されました。
夫には1億円を超える収入がありましたから、Aさんは1億円以上の財産分与を望んでおられました。しかし、弁護士が夫Bの資産を調べたところ、別居時の夫B資産は約1億円しかないことが判明しました。夫Bは、「財産分与5000万円でAさんがマンションから退去する。」という条件での離婚を求めてきました。
しかし、夫Bは別居前にも4000万円~1億円の年収があり、高額な車・自転車・家族以外との外国旅行代金等に浪費していました。
そこで弁護士は、「夫Bの浪費は約1.7億円あったはずである。よって夫Bの資産は、浪費がなければ約2.7億円あったはずであり、1.35億円を財産分与としてAさんに支払うべきだ」と主張しました。
しかし夫Bは、「浪費などしていない」と主張し、財産分与の増額を認めませんでした。
このまま裁判に移行したら、浪費の証拠がないため、財産分与5000万円の判決が出る可能性が高い状況でした。しかし弁護士は諦めず、「1億円を超える収入のある人物が支払う財産分与として5000万円は妥当なのか。」と粘り強く夫Bを説得しました。
その結果夫Bは、「財産分与として8000万円を支払い、なおかつ会社所有マンションに月10万円の賃料(通常だと賃料月30万円は下らないマンション)でAさんが居住することを認める。」と譲歩してきました。
会社所有マンションに月10万円の賃料で住めるということは、Aさんにとって1000万円の財産分与以上の価値があること、訴訟になったとしても5000万円以上の財産分与は望めないことから、Aさんは上記条件での協議離婚に応じることにしました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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