有責配偶者である夫と交渉し、裁判で解決するよりも妻に有利な離婚条件で協議離婚した事例
依頼者 妻
夫 33歳 公務員 茨木市在住
妻 30歳 公務員 高槻市在住
離婚原因 夫の不貞行為
きっかけ 夫が自宅を出て行き、その直後に夫の不貞行為が発覚した
財産 不動産・預貯金・学資保険
子ども 1人
Aさんは、夫Bから突然離婚を切り出されました。
ただ、Aさんには離婚する意思はありませんでしたので、Aさんは離婚を拒否しました。
すると、夫Bは自宅を出て行き、弁護士に依頼して改めて離婚を求めてきました。
夫Bが離婚を切り出すまでは、Aさんと夫Bの夫婦関係は良好であり、Aさんには夫Bから離婚を求められる理由に全く心当たりがありませんでした。
そのため、Aさんは夫Bの不貞行為を疑い、興信所へ依頼しました。
その結果、夫BがCと不貞行為を行っていることが分かりました。
そこで、Aさんは夫Bからの離婚請求に対する対応及びCに対する慰謝料請求について、当方に依頼されました。
>>慰謝料について
弁護士がCに対して慰謝料請求したところ、Cは不貞行為を否定してきました。
そこで、弁護士は、慰謝料請求訴訟を提起し、興信所の報告書を証拠として提出しました。
すると、Cは夫Bとの不貞行為を認め、最終的にCがAさんに対して190万円の解決金を支払う内容で和解が成立しました。
Cに対する上記慰謝料請求訴訟係属中も、夫Bとの離婚協議・調停が係属していましたが、夫Bは、Cが不貞行為を認めるまでは、「不貞行為はしていない」と主張し続けていました。
もっとも、Cが夫Bとの不貞行為を認めると、夫Bは「Cと不貞行為は行ったが、婚姻関係が破綻した後である。」と主張を変えてきました。
その後調停が不成立になり、夫Bは離婚訴訟を提起してきましたが、弁護士が夫Bの不貞行為以外に婚姻関係が破綻する事情がないこと等を主張立証していった結果、夫Bは有責配偶者であると裁判所に認定され、夫Bの離婚請求は棄却されました。
上記訴訟後もAさんと夫Bの別居生活がしばらく続き、Aさん自身も、夫Bと離婚して関係を清算したいと考えるようになりました。
そのため、改めてAさんは夫Bとの離婚協議を当方に依頼されました。
弁護士は、Aさんから預かった財産資料等を基に、裁判になった場合に認められる財産分与や慰謝料の相当額を検討しました。
その結果、Aさんと夫Bの共有財産がそれほど多くなかったこと及びCから既に解決金190万円(離婚慰謝料の相場は総額で200万円~300万円です。)を受領していることから、裁判で争ってもAさんが高額な財産分与や慰謝料を夫Bから獲得するのは難しいことが分かりました。
ただ、夫Bが早期離婚を望んでいることは分かっていましたし、「有責配偶者である夫Bは、Aさんと離婚条件について合意しない限り、早期に離婚できない」というAさんに有利な事情もありました。
そこで、弁護士は、上記のようなAさんに有利な事情も踏まえて夫Bと交渉し、最終的に、①「財産分与として、Aさんの自宅不動産(約350万円のオーバーローン)をAさんが取得し、残ローンをAさんが引き受ける。その代わりに、夫Bは、Aさんに対して、財産分与金約1180万円を分割して支払う。」②「夫Bは、Aさんに対して、慰謝料200万円を支払う。」③「夫Bは、Aさんに対して、養育費として月4万円(算定表どおり)を支払う。」という内容(判決よりもAさんに有利な離婚条件)で協議離婚を成立させました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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