夫から離婚訴訟を提起されたが、判決見込よりも妻に有利な離婚条件で和解離婚した事例
依頼者 妻
夫 53歳 会社員 兵庫県川西市在住
妻 54歳 パート 大阪府箕面市在住
離婚原因 長期の別居
きっかけ 夫から離婚訴訟を提起された
財産 不動産、預貯金、退職金
子ども 2人
Aさんと夫Bは、夫Bが自宅を出て行く形で6年以上前から別居しており、夫Bが申し立てた離婚調停も不成立で終了していました。
その後、夫Bは家庭裁判所に離婚訴訟を提起してきたため、Aさんは訴訟手続きを自分で行うのは困難と判断し、離婚訴訟への対応を当方に依頼されました。
弁護士がAさんから事情を聴取したところ、別居期間がかなり長期に渡っているため、離婚判決を避けるのは困難と考えられました。
また、別居時点の夫Bの正確な財産状況までは不明でしたが、Aさんが把握している財産等からすると、訴訟前に夫Bが提案していた離婚条件は、判決見込よりもAさんに有利な条件である可能性が高いと考えられました。
Aさんとしても、離婚はやむを得ないという意向をお持ちでしたので、弁護士は、Aさんの了解を得た上で、判決見込よりも有利な離婚条件での和解を目指していくことにしました。
訴訟前に提案していた和解案(訴訟移行しないことを前提としたもの)を夫Bが撤回してくる可能性もありましたが、弁護士が裁判官や夫Bの代理人弁護士と協議した結果、訴訟手続きにおいても、訴訟前に夫Bが提案していた和解案をベースに和解協議を進めていくことになりました。
その後、弁護士が更に交渉を続けた結果、訴訟前に夫Bが提案していたものよりも財産分与額を約35万円増額させ、「①Aさんは、夫B名義の自宅不動産に離婚後最大約2年半無償で住むことができる。②その後同不動産を売却し、その売却益の約45%をAさんが取得する(不動産購入価格の約10%を夫Bの特有財産から支払っていたため)。③夫Bは、Aさんに対し、500万円+子どもが借りた奨学金相当額を支払う。」という内容の離婚条件で和解すること夫Bに認めさせました。
Aさんも上記①~③の内容で離婚することに納得されたため、最終的にこの内容で和解離婚を成立させました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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