相続を理由に減額を求める夫を説得して、財産分与5000万円で協議離婚した事例
依頼者 妻
夫 70歳 無職(年金)
妻 65歳 パート
離婚原因 暴力、性格の不一致(価値観の相違)
きっかけ 今後の人生を心身ともに健やかに過ごしたいと思うようになった
財産 不動産、預貯金、保険、車、投資信託
子ども 2人
「思うようにならなかったときに暴力を振るう夫Bと今後も生活を続けていくと自分の心身が耐えられない。」とAさんは判断されました。
ただ、夫Bと離婚交渉をすると夫Bから暴力を受ける可能性があるため、当事務所に依頼されました。
当初夫Bは復縁を求めてきましたが、Aさんは「復縁は100%ない。」というお気持ちでしたので、弁護士は復縁を拒否し、全財産の開示を求めました。
夫Bは財産を開示してきましたが、①投資信託は返金されない可能性がある。②父から4000万円、母から4000万円の相続を取得したから、夫婦共有財産から8000万円差し引くべきなどと主張し、財産分与額の減額を要求してきました。
これに対し、弁護士は、「①投資信託は夫BがAさんに無断で行ったのであるから、失敗のリスクは夫Bが負うべきであって、Aさんが負う必要はない」。「②「夫B母からの遺産で夫Bは不動産の半額を支払い、その不動産は売却時に購入時の2分の1の価値になったのだから、夫B母遺産は半額の2000万円になった。その後、20年にわたって生活費で費消された。夫B父からの遺産は4000万円であることを立証する証拠はなく、最大限認められるのは約3500万円に過ぎない。しかも、遺産の入金された預金通帳には夫Bによる入出金が繰り返されており、3500万円のうち少なくとも半分の1750万円は費消されている。」と主張し、「夫婦共有財産から差し引かれるのは多くても1750万円に過ぎない。裁判所の考え方も同様である。財産分与額は6000万円を下らない。」と資料を付けて夫Bを説得しました。
財産分与6000万円という弁護士の主張は、裁判になったら認められるであろう金額でしたが、夫Bは法的に意味のない反論を繰り返し、財産分与額は4500万円であると主張してきました。裁判になれば6000万円近くの判決が出ると思われましたが、裁判になると1年近く離婚が遅くなってしまいます。
とにかく早く離婚して心の安定を図りたいとAさんは考え、4500万円で離婚しようかと考えられました。
しかし弁護士は、「夫Bは5000万円なら応じてくる可能性がある。もう一度5000万円を夫Bに提示してみましょう。」とアドバイスしました。
Aさんはそれに納得され、財産分与5000万円での協議離婚を提案したところ、夫Bがそれに応じてきたので、5000万円で協議離婚しました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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