婚姻費用を夫の主張額から月10万円増額し、財産分与として450万円を夫から取得して離婚した事例
依頼者 妻
夫 46歳 自営業 大阪府吹田市在住
妻 46歳 パート 大阪府吹田市在住
離婚原因 夫の不貞行為、長期の別居
きっかけ 別居中の夫から執拗に離婚を求められた
財産 不動産・預貯金・株式・自動車
子ども 2人
Aさんは、不貞行為を繰り返す夫Bに愛想を尽かし、約4年前から夫Bと別居していました。
しかし、夫Bから執拗に離婚を求められたため、当方に相談に来られました。
弁護士がAさんから事情を聞いたところ、夫Bは不貞行為を示唆する言動をとっていたものの、不貞行為を裏付ける確実な証拠まではなく、不貞行為を客観的証拠で立証することは難しいと考えられました。
また、既に別居期間が長期に渡っていたため、不貞行為を立証できないのであれば、訴訟になっても離婚自体を回避するのは困難と考えられました。
そのため、Aさんも離婚自体はやむを得ないと考えていましたが、少しでも有利な条件で離婚するため、当方に依頼されました。
弁護士が夫Bに対して離婚条件の提示と婚姻費用の支払を求めたところ、夫Bは弁護士に依頼し、離婚調停を申し立ててきました。
そこで、弁護士は婚姻費用分担調停を申し立て、調停手続きの中で離婚と婚姻費用の協議が行われることになりました。
婚姻費用について、夫Bは、夫Bの自営業の確定申告書を基に婚姻費用を算定し、「月8万円しか婚姻費用を支払わない」と主張してきました。
もっとも、別居後も夫Bの自営業用の通帳はAさんが管理していたため、その内容を弁護士が確認したところ、夫Bは経費を水増しして確定申告している可能性が高いと考えられました。
そこで、弁護士は、夫Bに対し、確定申告書以外の会計帳簿や領収書の開示を求めましたが、夫Bはこれを拒否しました。
そのため、婚姻費用分担調停は不成立となり、審判に移行しました。
審判手続きに移行すると、裁判官は、夫Bに対し、確定申告の前提となった会計帳簿等を開示するよう求めました。
すると、ようやく夫Bは会計帳簿や領収書を開示してきました。
弁護士が同会計帳簿や領収書を精査したところ、弁護士の予想どおり、夫Bが事業と全く無関係なプライベートな支出等を経費として計上していることが分かりました。
夫Bは経費の水増しを何とか誤魔化そうとしていましたが、弁護士が経費に該当しない費目やその理由について詳細に主張立証していった結果、裁判所は、夫Bによる大幅な経費の水増しを認め、「夫Bは、Aさんに対し、月18万円の婚姻費用を支払え」という内容の審判を出しました。
離婚調停については、夫Bが不貞行為の事実を否定し、Aさんへの財産分与すら拒否したため、不成立で終了しました。
その後、夫Bが離婚訴訟を提起してきたため、訴訟手続きに移行しました。
訴訟手続きにおいても、夫Bは、預貯金等の夫婦共有財産を保有しているにもかかわらず、オーバーローンの不動産があることを理由に、「Aさんに分与すべき財産はない」と主張してきました。
しかし、当該不動産はAさんが一度も居住したことがなかった上、第三者に賃貸しており、別居後の賃料も全て夫Bが取得している状況でした。
そのため、弁護士は「当該不動産は収益物件であり、収益の中からローン返済が可能なのであるから、同不動産と住宅ローンは財産分与の対象から外すべき」と主張し、このような見解が妥当であることを裁判例等で立証していきました。
その結果、裁判官から、Aさんや夫Bに対し、上記不動産と住宅ローンを財産分与の対象から外すことを基礎とした和解ができないか打診がありました。
その一方で、夫Bの不貞行為については、当初の予想どおり、立証不十分であるとの見解が裁判官から示されました。
そのため、弁護士は、Aさんと相談の上、夫Bに対し、「①上記不動産と住宅ローンを財産分与の対象から外して算定した財産分与金450万円と②婚姻費用の未払金約200万円を夫BがAさんに一括で支払う」という和解案を提示して、夫Bと協議しました。
その結果、夫Bは上記和解案を受け入れたため、最終的に上記①②の内容で離婚が成立しました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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