依頼者 妻
夫:43歳 公務員
妻:42歳 パート
離婚原因:夫の妻に対する暴力・虐待
子供:2人(17歳、14歳)
財産:不動産、預貯金、生命保険
Cさんは結婚した当初から長年にわたって夫から暴力を受けてきました。
足腰が立たなくなるほど殴る・蹴るの暴行を加えたれたり、包丁の峰の部分で頭を叩かれたりしました。
また、髪を強く引っ張られ、毛髪が300本ほど抜けたこともありました。
暴力から逃げるため家を出ようと玄関に向かおうすると、背後から飛び蹴りをされ、転倒させられました。
夫の帰りが遅いので、夫の同僚に電話をして確認したところ、夫から「恥をかかせやがって。」と怒りの電話がきました。
そして、帰宅するなり夫はCさんを何度も殴ってきたこともありました。
その他にも、何かあると夫は怒り出してCさんを殴ったり蹴ったりして暴力を加えてきました。
Cさんは夫からの暴力に耐えかねて、離婚を決意され、当事務所に相談に来られました。 弁護士は、別居の前に調査すべきことなどをアドバイスし、調査を尽くしてから別居することを勧めました。
Cさんは調査後に夫不在時に引っ越し、弁護士は別居日に離婚協議申入書が夫に届くようにしました。Cさんは夫を怖がっていましたので、「当方が受任したので、Cさん及びその家族・関係者に連絡をしないよう。連絡した場合には警察に通報し、法的措置を採る。」と夫に伝えました。夫はやむなく弁護士に依頼しましたので、当方は相手方弁護士と協議しました。 夫は、暴力は認めましたが、Cさんにその原因があるとして、慰謝料は30万円から50万円しか支払わない主張してきました。
その金額ではAさんは納得できません。
当方は粘り強く交渉しました。
その結果、慰謝料名目ではなく、財産分与・慰謝料などを含めた解決金という形でなら650万円(実質慰謝料約80万円)を支払ってもよいと夫側が譲歩してきました。
Cさんは早期解決を望んでおられ、調停や訴訟を望まれませんでしたので、これに50万円を増額させる(実質慰謝料約130万円)ことで応じることにしました。
最終的に、夫がCさんに対し、未払の婚姻費用、財産分与、慰謝料をあわせた解決金708万2720円を支払うこと、子どもの親権者をCさんとすること、養育費は一人当たり月5万円20歳までという内容で合意しました。
そして、養育費の支払いを確保するため、強制執行できるように、調停で解決することとし(調停調書であれば、直ちに強制執行できます)、1回目の調停で調停離婚しました。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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