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子どもを連れ去ったモラハラ夫から、強制執行によって子どもを取り戻し、親権を取得し、面会交流を認め、婚姻費用・養育費については障害児がいることを理由に増額させ、不動産・生命保険を相手方に取得させ、財産分与として650万円を取得した事例

解決事例

依頼者 妻 吹田市在住

妻 47歳 公務員

夫 46歳 公務員

離婚原因 夫のモラルハラスメント

財産 不動産2(共有)、生命保険、預貯金、車、子ども名義預金

子ども 6歳、4歳

 

Hさんの夫は、気に食わないことがあるとキレて「出て行け。」「仕事辞めろ。」などと大声で怒鳴り続けました。その結果、Hさんは常に夫の顔色を窺わざるを得ず、言いたいことも言えず服従してきました。Hさんは離婚したくなかったのですが、携帯電話を破壊されたことを機に子どもを連れて実家に帰りました。そして、夫の反省を求めるために夫婦円満調停を申し立てました。

ところが、夫は、保育園から子どもを自分の実家に連れ帰りHさんに子どもを会わせなくなりました。やむなくHさんは当方に子どもの監護者指定・子の引渡しの審判前の保全処分を依頼されました。

「妻が子どもを虐待している。」などと夫は虐待主張をしましたが、当方の立証活動により裁判所は虚偽だと理解してくれ、子どもの監護者指定・子の引渡しの審判判では当方が勝ちました。ところが、夫は子どもを引き渡さなかったため、当方は強制執行を行い、子どもを取り戻しました。

夫は婚姻費用も支払いませんでしたので、調停を経て裁判所の審判が出てようやく夫は婚姻費用を支払うようになりました。

子どもの監護権・引渡しの審判において虚偽主張を続ける夫に失望し、Hさんは離婚を決意され、離婚調停を申し立てました。これに対して夫は面会交流調停を申し立てるとともに、親権を自分に要求してきました。「妻が虐待している。調査してほしい。」などと子ども家庭センターや警察に虚偽の通報をするなど嫌がらせを続けました。また、「Hさんが夫の財産を着服している。」などと主張してきたため、証拠をつけて1つずつ反証し、そのような事実がないことを立証しました。夫に子どもを奪われないように配慮しつつも、夫に面会交流を認めたこと、財産着服のないことを立証したため、夫は調停案について話し合いに応じるようになりました。

Hさんは訴訟に移行することはどうしても避けたいとの意向をお持ちでしたので、調停が成立するよう協議を続けました。当初、不動産を取得したいと考えておられましたが、夫が「どうしても不動産・生命保険を取得したい。」と譲らなかったため、不動産と生命保険を夫に取得させ、その代償金として650万円取得することと、障害児がいることから養育費については相場より1万円ほど高い金額で同意させました。子ども名義の預金は子どものものとしました。夫の連れ去りの心配があるため、面会交流については夫と子どもたちだけでの宿泊を伴う面会交流は当面の間認めないということにして、月1回の面会交流を認めることにして調停離婚しました。

 

 

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弁護士 寺尾浩寺尾 浩(てらお ひろし)

 

平成4年3月 一橋大学法学部卒業

平成9年   司法試験合格(52期)

 

 

 

 

 

 

 

離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。

また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。

 

問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。

 

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