調停離婚での弁護士の役割
当事者同士の話し合いで離婚が成立しないときは、家庭裁判所に離婚調停の申立てを行い裁判所の仲介のもとで離婚について話し合う調停離婚の手続きを行うことになります。
調停離婚は家庭裁判所が間に入ってくれるので、相手方が話し合いに応じてくれないときなどに有効な方法です。調停離婚で合意した内容に関しては家庭裁判所が調停調書としてまとめ、裁判の判決と同じ拘束力を持ちます。超低長所の強い拘束力があるので一度合意した離婚に関する条件を一方的に破棄されてしまう心配はなく、明確に条件を決めて離婚したいときに役立ちます。
調停調書は裁判と同じ判決を持ちますが、離婚調停自体は本人のみの出席でも問題ありません。調停は基本的に話し合いの場ですから、弁護士を雇わず自力で調停に臨むことも可能です。
しかし、出来ることなら弁護士を雇って調停に臨んだ方が良いのも事実です。調停では裁判所側の調停委員が相補の間に立ってそれぞれの主張を聞き、離婚に関する証拠の調査屋検証を勧めながら話し合いを行うことになります。
調停委員には法律の専門家が指名されることもあれば、法律の専門家以外の一般の調停員が担当することもあります。法律に詳しくない一般の調停員が担当になった場合、法的な合理性よりも泣き落としのような感情的な方法で心を動かされてしまうケースもありますから、個人で対抗するのには限界があります。
そんな時に頼りになるのが弁護士です。離婚調停は裁判ではないとはいえ法律問題を解決するための場ですから、法律の専門家である弁護士が同席してくれればそれだけで心強く頼もしいものです。一人で調停に挑むとなると、どんなに入念な準備をしていたとしても慣れない調停の雰囲気にのまれてい痛いことが言えなくなってしまう可能性がありますが、弁護士がいれば余計なプレッシャーは気にならなくなりますし、弁護士が同席しているというだけで調停委員からの印象がアップするという効果も期待できます。調停に対し真面目に真摯に取り組んでいることをアピールすることができますから、調停員の共感を得やすくなるでしょう。
弁護士は勝つ見込みのない離婚問題を手掛けようとはしませんから、弁護士と一緒に調停に出席していることそのものが主張に一定程度の正当性があると証明していることになります。弁護士とともに出席していることで離婚問題解決に対して本気であることもアピールできますから、いい加減な調停をされてしまう危険性も防げます。
調停は個人で準備することもできますが、法律手続きですから複雑で分かりにくい部分も多々あります。申立書や照会回答書事情説明書等用意しなければいかない書類は多く、万が一書類に不備があれば調停を進めることはできません。働きながら調停を実行しようとすると準備に時間を割くことが難しいですが、弁護士に依頼すれば書類作成や申し立て手続きはすべて代行してくれますし、裁判所との窓口となってスケジュール管理も行ってくれますから仕事と調停の両立の負担が大幅に軽減されます。調停に伴う作業の大部分を担当するのが弁護士の役割であり、弁護士に依頼する大きなメリットになります。
弁護士は法律の専門家ですから、離婚を有利に進めるための知識やノウハウにも優れています。弁護士のアドバイスをもとに調停戦略をたてておけばより有利に調停を進めることができるようになり、自分に良い条件で離婚を成立させやすくなります。万が一調停が不調に終わった場合でも、弁護士がいればその後の審判や裁判でのサポートを引き続き依頼することができますから、最後まで条件を争うことが可能です。
離婚調停は個人の力で解決を目指すこともできますが、弁護士を雇ったほうがより確実です。調停離婚における弁護士の役割は大きく、細かい事務手続きから戦略の立案まで調停のあらゆる場面で手厚いサポートをしてくれます。
もし相手が弁護士を立ててきた場合、それだけで不利な状況に追い込まれてしまいかねません。多少費用は掛かっても弁護士に調停離婚の代理人を依頼したほうが、トータルではメリットが大きなものになるでしょう。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
【アクセスマップ】