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モラルハラスメントとは、簡単に言うと、家庭内におけるいじめのようなものです。具体的には、精神的暴力や嫌がらせのことを指し、モラルハラスメントを行う夫をモラハラ夫と呼びます。
ドメスティックバイオレンス(DV)とは違い、実際に暴力を振るうわけではないのですが、言葉や行動、態度によって相手に精神的苦痛を与えます。
当事務所にご相談に来られる方の中にも、モラルハラスメントの被害者が多くいらっしゃいます。実際にモラルハラスメントの被害を受けている方達のお話を聞くと、ご自身では被害を受けていることに気付かなかったという方がとても多くいらっしゃいます。本や雑誌のコラムを読んだり、知人・友人から話を聞いて「まさにうちの夫のことだ!」と自分が被害者であることに気付く方が多いようです。
モラハラ夫は、家では妻に対して精神的虐待を繰り返しますが、家庭外では明るくて温厚な紳士であり、理想の夫であるかのように装います。そのため、外部の人にはモラハラ夫であることがわかりません。
モラハラ夫は、自らの非を絶対に認めません。モラハラ夫は、自分だけが正しく、他者が間違っていると考えます。そのため、自分が間違ったことをしたり言ったりしても、悪いのは自分とは考えません。悪いのは妻であって自分ではないことを、言葉を変え、論理をすり替え、過去の話や関係のない話を引き合いに出して説明し、妻に責任転嫁します。仮に浮気をしても、「浮気させたお前が悪い。」と主張するのです。妻は「私が悪かったのかも。」と考えてしまったり、「何を言ってもわかってもらえない。」と諦めるようになります。
モラハラ夫は理由もなく不機嫌な態度をとります。口を聞かない、無視する、大きな音を立ててドアを閉める、ため息をつくなどをします。そのようにして、「自分が不機嫌である。」ことを妻に伝えます。その結果、妻は、「自分の何が悪かったのだろう。」と考え、不安になります。そして、夫の顔色を常にうかがう癖がついてしまいます。これは、「自分の顔色をうかがってびくびくするようにしてやろう。」というモラハラ夫の戦略なのです。
モラハラ夫は妻が何をしても怒ります。怒っているように見せかけて妻を不安にさせることが目的なので、妻が何をしようと怒らせないことはできません。例えば、暑いのでエアコンをつけると、「なぜつけるのか、もったいない。」と怒り、怒られるからと暑いのを少し我慢していると、「暑いのになぜエアコンをつけないのだ。」と怒ります。モラハラ夫にとっては「怒る(怒っているように見せかける)。」ことが目的であって、妻の失敗を正すことは目的ではないのです。
モラハラ夫は、聞こえるか聞こえないかのような小声で妻に対する不満を言います。そして、妻が不満の内容を詳しく聞こうとすると、「何でもない。」などと言って明言しません。また、「お前臭いな。」「だらしない。」「馬鹿か。」などと、妻が言われたくないようなことを繰り返し言って妻の自信を失わせます。
自分のことを棚に上げ、モラハラ夫は嫉妬深いです。妻のスケジュールを管理したり、何度もメール・電話をしてきます。そして、妻の外出について不満をにおわしてくるので、妻は夫の機嫌を損ねないよう、外出したり知人と会うことを控えるようになります。
モラルハラスメントは家庭内という人間関係の中で行われるため、周囲には気づかれにくいのが一般的です。また、見た目はとても穏やかな人である場合が多く、周囲に対しては、「いい夫」を演じているので、周囲にはなかなか理解してもらえないこともあります。
我慢せずにまずご相談ください。モラルハラスメントの被害者の多くは、「私が間違っている」「私が悪い」と思って我慢しています。
しかし、実際は被害者には落ち度はありません。まずは自分が被害者だということに気付くことが重要です。モラルハラスメントはどんどんエスカレートしていきますし、被害者の方は我慢していてもそれが苦痛となってしまいます。しかも、モラルハラスメントが治る可能性はとても低いのが実際です。当事務所にはモラルハラスメントで悩まれている多くの方がご相談に来られます。一人で悩まずにまずはご相談ください。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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