モラハラ立証方法について、 モラハラの離婚事件で弁護士に何を頼めるのか?
モラハラは、家庭内で行われることが多い上、DVとは異なり物理的な暴力を伴わないことが多いので、怪我の写真や診断書といった客観的な証拠が残らないケースがほとんどです。
しかも、モラハラ夫(妻)は外面がよく、社会的評価を受けていることも多いです。
加えて、モラハラ夫(妻)が裁判で自分のモラハラ行為を認める可能性はほとんどないため、裁判になっても、モラハラ夫(妻)のモラハラ行為はなかなか裁判官に伝わりません。
そのため、「自分がモラハラ被害者かもしれない」と自覚できたなら、モラハラ夫(妻)の暴言を録音したり、毎日日記をつけてその日にあったモラハラ行為を詳細にメモする等して証拠を収集することが有効です。
当事務所の依頼者の中には、非公開のブログにモラハラ夫(妻)のモラハラ行為を詳細に記載しておられた方がおられました。日記については「当日ではなく後日書き込んだ創作だ。」などと反論されることがありますが、ブログはアップした日が特定できますから、日記と比べるとより有効な証拠といえます。
ただし、モラハラの証拠を収集するためにモラハラ夫(妻)との別居が遅れるのであれば、証拠収集を試みることが必ずしも被害者にとって有利に働くとは限らないので、注意する必要があります。
モラハラに耐え続けることはそれ自体が非常に苦しいものである上、証明力の高いモラハラの証拠はなかなか入手できません。
また、「モラハラの証拠がある」と考えている方であっても、実際には裁判官を十分に説得できるほどの証明力を有する証拠までは持っていないことが多いです。
さらに、現在の裁判実務では、離婚請求(離婚原因)が認められるかどうかの判断において、別居期間が重視されており、別居期間が長くなるほど離婚請求が認められやすくなります。
そのため、モラハラの証拠収集を意識するあまり別居が遅れれば、それだけ別居期間が短くなってしまいますので、結果的に離婚が成立する時期が遅れてしまう可能性があります。
モラハラの離婚事件は、以下のどの段階でも弁護士に依頼することができます。
モラハラ夫(妻)は、被害者が別居しようとしていることを知るとそれを妨害したり、実際に被害者が家を出て行った後は、被害者の実家に押しかけたりして被害者を探し回ることがよくあります。
別居前に弁護士に依頼しておけば、別居と同時に弁護士が交渉窓口になりますので、直接モラハラ夫(妻)と交渉する必要はなくなりますし、モラハラ夫(妻)に別居先を教える必要もなくなります。
モラハラ夫(妻)との離婚協議が決裂した場合やそもそもモラハラ夫(妻)が離婚協議に応じないような場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。
ただ、モラハラ夫(妻)には弁が立つ人も多いので、モラハラ夫(妻)の理不尽な主張に対してその都度適切に反論していかないと、こちらの主張が正しいことが調停委員になかなか伝わりません。
弁護士であれば、調停の席でも法的知識を踏まえてモラハラ夫(妻)に毅然と反論していくことができます。
調停を経ても離婚や離婚条件について合意できなければ調停は不成立となります。
その場合、離婚訴訟を提起して裁判で離婚を求めていくことになります。
離婚協議や離婚調停ではモラハラの有無や程度について事実認定は行われませんので、実際にモラハラの証拠が必要になってくるのは裁判になった後です。
ただ、被害者が収集したモラハラの証拠だけを提出しても裁判官にはその意味が伝わりにくいです。
そのため、弁護士は、証拠提出と同時にその証拠が裏付けている事実関係を法的に整理して主張し、モラハラを立証していくことになります。
以上のとおり、モラハラの離婚事件では、弁護士に依頼することで被害者に様々なメリットがあります。
また、弁護士に相談したからといって必ず依頼しなければならないわけではなく、別居・離婚の手順や必要な準備等に関する弁護士のアドバイスを受けてから、実際に別居・離婚を実行に移すかどうかどうかを決めることも可能です。
モラハラで別居や離婚について考えるようになった場合は、一度、当事務所にご相談ください。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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