相談事例9(吹田市在住の方からのご相談)婚姻期間中に私(妻)の父から相続した500万円を頭金に充当し、2000万円の住宅ローンを組んで(合計2500万円で)自宅不動産を購入した。離婚するに際し、自宅不動産(住宅ローン完済済み)を2000万円で売却した。この2000万円のうち、財産分与として私(妻)が取得できる金額はいくらか?
夫婦共有財産については、財産形成にかかる夫婦それぞれの寄与度・貢献度は2分の1ずつになるのが原則です。
もっとも、不動産を購入するに際し、頭金を夫婦の一方の特有財産から支払っている場合、当該不動産の一部(頭金に充てた部分)は、夫婦の協力によって築いた財産ではなく、夫婦の一方の寄与・貢献によって形成された財産ということになります。
そのため、当該不動産の売却金を財産分与する場合には、夫婦がそれぞれ2分の1ずつ取得するわけではなく、夫婦それぞれの寄与度・貢献度に応じて取得する金額が異なることになります。
本件の場合、自宅不動産の購入価格2500万円のうち、頭金500万円はあなた(妻)の父親から相続した金員、すなわち、あなた(妻)の特有財産から支払っています。
そのため、当該不動産の1/5(500万円/2500万円)はあなた(妻)の寄与・貢献によって形成された財産ということになります。
不動産の売却額は2000万円ということですので、同売却金のうち、あなた(妻)が取得すべき金額は、売却金の1/5である400万円+売却金の残り1600万円の2分の1である800万円(合計1200万円)になります。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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