会社経営者の場合、一般の方と違って大きな資産を形成されている方が多いです。
そのため、財産分与の対象となる財産を全て調査して、財産を正確に把握することが必要となります。
会社経営者は、多大な資産を相手方に渡すまいとし財産を隠す傾向がありますから、
離婚を切り出す前に財産調査を終わらせておく必要があります。
何が財産分与の対象になり、それを立証する証拠をどうやって収集するかについては高度な専門的知識・経験が必要です。
したがって、離婚問題を専門とし、財産分与問題について多数の相談・事件を取り扱っている弁護士に相談する必要があります。
このうち①不動産②預貯金③保険については、サラリーマン・公務員・大学職員に特有な問題として解説し、
ここでは④動産⑤有価証券⑥退職金について解説します。
〇動産
また、会社が株式会社の場合は、会社経営者は会社の株式を保有していることがほとんどです。
この株式は財産分与の対象となります。
会社経営者が一人で全株式を保有している場合には、会社経営者が株式会社の全資産の所有者となりますから、
株式価格=「株式会社の全資産」となり、株式購入時の株式価格とは比較にならない資産価値を有することになります。
一般の会社員の場合、夫婦共有財産を財産分与するときには、夫婦それぞれが2分の1ずつ取得します。
たとえ妻が主婦で収入がなかったとしても、妻が育児・家事をしたことは、夫と同じ収入の労働をしたと評価されるのです。
しかし、会社経営者の場合は、それと異なる割合で財産分与が行われることがあります。
夫が会社を経営し、自らの特別な才能・手腕・専門知識により、多額の資産を形成した場合です。
この場合、妻の家事労働による貢献によって形成された資産よりも、夫の才能・手腕・専門知識によって形成された資産の方が多いと考えられるのです。
このような場合、裁判例においても夫7:妻3、あるいは夫6:妻4といった割合で財産分与が行われたものがあります。
いかなる場合に5:5になり、いかなる場合に7:3になるのかは個別具体的な事案を分析しなければなりませんので、
離婚を専門的に行っている弁護士に相談すべきです。
会社経営者が私立学校進学を承諾していたかどうか、会社経営者の収入はどの程度かによって請求できるかどうかが変わりますし、請求できる場合でも、私立学校学費の何割を請求できるかは、事案によって異なります。
離婚について専門知識のない弁護士に相談されると誤った解決がなされる可能性がありますので注意が必要です。
5 解決事例
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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