相談事例2 (吹田市在住の方からのご相談)夫から離婚を求められているが、財産分与とは別に慰謝料を夫に請求することはできるか?
離婚慰謝料は、離婚により生じる精神的苦痛を償う慰謝料であり、婚姻中に夫婦の協力によって得た共有財産の清算を目的とする財産分与とは本質が異なりますので、財産分与とは別に請求できます。
ただし、離婚慰謝料請求権は、夫婦の一方の有責不法な行為が原因で離婚に至った場合にのみ請求できるものであり、離婚に際して必ず請求できるものではありません。
例えば、夫の不貞行為が原因で離婚に至った場合には、不貞行為は有責不法な行為であることが明らかですから、妻は夫に対して離婚慰謝料を請求できます。
これに対し、配偶者に離婚を求めること自体は有責不法な行為ではありませんから、夫が妻に対して離婚を求めたとしても、それだけでは妻が夫に対して離婚慰謝料を請求できるようにはなりません。
本件の場合も、夫に不貞行為や暴力といった有責不法な行為がないのであれば、夫に対して慰謝料を請求することはできません。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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